クラスの人

ボーイッシュでかわいい人気者だった女の子。高校での初めての体育の時間に遅れてきたあの子。
「先生、遅れました!」
走ってきたその子が先生の前でぴたっと止まって、私は彼女を直視してしまった。それで、びっくりしてうつむいた。制服のスカートよりもっと似合っていたジャージ姿。スポーツとダンスを習っていたらしいしなやかな身体、ハイソックスを脱いだ白いふくらはぎです。
私感動してしまって、あっ好きだなと思ってしまって涙が出た。授業中なのに、横に人がいるのに気づかれないように顔赤くして耳赤くして泣いてる。先生の言ってることわかんない。あの子がかわいくてかっこいいってことしかわかんない。
授業終わって着替えても、もう駄目だった。あの子をずっと目で追ってしまう。その時気づかなかったけど恋だったような気がする。恋には過大評価がつきものなので「ただの女子高生」を「私などが話しかけてはいけないスーパーアイドル」だと勘違いした。あまりに眩しく、同じクラスなのに遠い存在に感じた。
その後1ヶ月くらい恋焦がれて(?)、帰り道に「あの子に話しかけられちゃったらどうしよう…」とか「友達になりたいなあ(自分が女の子と付き合うの想像出来なかった)」とか妄想していた。けれども、入学して何ヶ月たっても、友達も話し相手も一人もできなくてだんだん精神がいかれてきてしまったので恋(…)は自然に消滅した。それよりクラスの人=こわい 目を合わせてはいけないって気持ちが強かったから。
友達が普通にできていたら、あの子と付き合える可能性あったかな〜笑 今思うと私の好きなタイプの女の子、クラスに割と多かったので自覚が早かったら天国だったろうな…と後悔している。着替え一緒トイレ一緒だからすごく気まずいけど。

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