つまり、いきにくいってこと

行きたくない!と思いつつ、予約をした。
当日、雨が降り、時間配分を間違えた(と思いこみ)私は「安定剤がない」という最後の一押しでひと月ぶりくらいにパニックを起こした。
発達障害のパニックは、程度に加減こそあれど猛獣みたいになるので人に見せられない。
薬が入っているはずだったケース周辺のものを手で払って床にばらまき、丸まってうなり始めアーアーすすり泣きながら行きたくないよ!行きたくない!とつぶやいた。早く支度をしないと予約に遅れてしまう…と自分の頭をなでながら落ち着こうとするのに、時間が無いというプレッシャーでまたわなわなとパニック状態に戻っていく。どうしても体が丸まり、意味もなく全身引っかきまくる。
どうして薬を自由に飲めないの?というところが原因だったのだと思う。雨が降っても、美容院に入る時「こんにちは」と言ってその後「〜〜というふうにしてください。前髪は〜(セリフを事前に記憶しておかないといけない)」と言わなくてはいけなくても、安定剤さえ飲めれば大丈夫…と落ち着いた気持ちになれるのに。

15分後正気を取り戻し、化粧をして服を着て、人間になった。切り忘れていた爪は、猛獣だった際に額に当たったらしく、私の額には「ハリーポッター」のような電形の傷が割とくっきり残った。

美容院のガヤガヤ(これでも静かな方)に耐え、よく聞こえない人の声を拾いながら無事髪を切ってもらった。もう終盤前を向く気力もなくて、顔は一応「こちら」を向いているが目がまるで怒られている犬であるかのように、あからさまに横方向に逃げていると言ったギリギリ人間状態であった。私の汚い持ち物を持ってきてもらったり触って渡してくれたりするのも、女性美容師に悪くて、すみませんすみませんとペコペコしながら店を出た。雨はやんでいた。 

帰りに銀行により、お金を下ろした。今月の貯金は50000円。手元にあるお金も、余ったら貯金に回す。ただ、今仕事に来ていける服が4組くらいしかないので、今シーズンは服を選びに行かなくてはいけない。病院もある。本意ではないことに出費がかさんでしまう。私は今、A3!(イケメン役者育成アプリゲームのことです)のことだけを考えていたいのに……

(ハートをくれたユーザー:ひまわり❤︎)