馬鹿は風邪ひかない

今日は精神科の通院日でした。はじめてひとりで電車とバスに乗って病院まで行った。うまくいかない(バスが思った経路を通らなかったり、切符を間違えたり)こともありましたが、10時からの診察に間に合いました。時間をかけていったけど、診察は3分で終わりました。

体調は?薬の量は?睡眠はとれていますか?食事は食べられますか?
はい、はい、大丈夫です、元気です。
S先生(前の担当医)が宗晴さんの症例を他の先生がたの前で発表したい(学会?研究会?忘れた)と言っていますが問題はありませんか?
はい、構いません。
おわり

帰りの電車に乗って、地元の駅まで来られたけれど、バスがない。大学の前なのに一時間に一本しか走ってないなんて……仕方なく歩き出す。雨が降ってきた。今日は傘を持っていない。イヤホンを取り出して、私が歩くテンポにぴったりの「星野源」の歌を聞く。雨がひどくなる。グレーのシャツが濡れて体に張り付く。薬とスマートフォンだけは濡れないように、バックの下の方に隠した。途中、バスの停留所で時刻表を確認しても、やはり家の近くを通るバスがない。田舎って困るな……とぼとぼ歩く。髪が目にかかって、まつげに雨がかかって、前が見にくい。曲に合わせて足は止めない。腕を振れば、足はほぼ勝手に前に出るんだから便利だなと思い、どうせびしょびしょで人目を引くのだし、とウォーキングするように腕を大きく振って帰ってきた。結局家に着くまで一時間半くらいかかった。服は着衣泳でもしたのか?と思うほど濡れていたため、私は玄関で裸にならなければならなかった。

S先生が私の治療の過程を学会(仮)で話したいんだってと母に言った。
すると、「母さんもそう思ってた。S先生、宗晴だけ特別な時間に診てくれていたでしょ。時間もかけてくれていたから……やりたい研究にぴったりの対象だと思ったんじゃない?」とのこと。
そうか。先生が優しかったのは、話をゆっくり聞いてくれたのは、そういうことだったのかと複雑な気持ちになった。どんなまとめ方をされて発表されるのかと思うと少しこわい。

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